オフロ。
11月
毎年、この時期は凪に流れる時間がとても穏やかで
凪を始めたばかりのあの頃が
戻ってきたような
懐かしい気持ちになります
時間を忘れてお話したり
本を読んだり
手帳を整理したり。
みなさんがそれぞれ
心地よく過ごしてもらえてるといいな。
そして早く終わった夜は
大好きなお風呂(銭湯)へ
これも私にとってはなくてはならない
心地いい時間です
何も考えずに、ひたすらお湯に身を任せて
自分の頭を邪念から解放できる場所
体を芯から温めて血流を整えると
翌日、不思議と
いつもより軽やかに動けるのです
午前中までは。。。笑
ウチアゲ。
先日の、鈴木美汐さん展示会の打ち上げ!
と称して、我が家の庭でスタッフののりこさんとお昼を食べました
炭火を焚いて
今年初めて、美味しさの虜になった原木なめこのお味噌汁をつくり、
鮭やおにぎりを炭火で焼いて、
おかずやお漬物をそれぞれ持ち寄って
好きな器を選んで楽しむ‥。
お互いに、こういう時間が好きでよかった
こういう会なので器の話もたくさんしました
私がいいなと思っているのは、
作家さんの気持ちがカタチになっている器。
それは、使いやすさだったり、丁寧さだったり、感性だったり。
簡単に沢山できてしまう器よりも、作家さんの人間味が表現されている器が好き
凪で器を選んでくださるお客さんが
“ここに置いてある器は温もりがある”と
よく言ってくださるのだけれど
一緒に仕事をさせてもらっている作家さんは
みんな優しくて温もりがあって、
優しいのに
一人一人とお話すると、
なかなか手強いぶれない芯を持っていて
心を込めて作れる分しか作らない
というスタンス!
行き当たりばったりでなくて
頼まれたら全部受けるでもなくて
うまく進まない目の前の仕事と
真面目に真摯に向き合っている
そんな作家さん達のお仕事は
私がおやつをつくる時にも共感できるものが沢山あって、
とても刺激的
“モノ”は、誰でも簡単に作れてしまう
だけど
簡単に作れてしまうモノには、
心が宿らないように思うのです。
器にしても、
家にしても、
おやつにしても、
飲み物にしても。
自分の心が“いい”と思ったことを
自分の手で表現するチカラ、ドリョク
目に見えないもののカタチを
私は大切にしたいな
そして、いいと思ったものは
きちんと自分の言葉で表現をして伝え続ける
それも誰かが続けていかないと
自然に消えていってしまう
大切なこと
ここ数年、
器屋さんの
すぐ消えて残ることのないSNSの情報媒体の乱用に
ついていけない私デス。
これも時代なのかな‥笑
スザカ。
私にとって、とても大切な場所
長野県須坂市
凪を作る前に、
些細な事がきっかけで訪れて
偶然、色々な御縁が繋がって
また繋がって
今の凪ができました
凪を始めた頃、最初は3種類しか作れなかったおやつが
もがき、苦しみ、悩み、泣きながら(笑)
1つ、1つ、
ゆっくりゆっくりレパートリーを増やしていたとき、
石川に移住したてでお友達が誰も居なかった私は、
思ったようなおやつが作れなくて辛くなり、
気持ちを癒しに行っては
廊下で倒れるほど飲んだのも
春、夏、秋‥と四季折々の美味しい果物を
教えてくれたのも
農園さんと繋げてくれたのも
須坂のゲストハウス蔵でした
そして、何より蔵は
いつも採算が合わないだろう宿泊費で
私が喜ぶことを一生懸命尽くしてくれる
もちろん、他のゲストにも。
人生はお金ではないし
誰かに認めてもらうことでもなくて
見栄え良く整えることでも
目立つことでもない
「自分が今の人生に一生懸命ワクワクしているか」
ということを、いつ行っても教えてくれるし
自分の決めた道は自分で一生懸命つくっていく
そんな姿勢をいつ行っても目の当たりにする
ぶれない精神と
ひたすら前向きな気持ちと
人間味のある優しさと温かさの鋭気を
私はいつもここで補います
今の社会情勢についても
深夜まで話し込むこともあったり。
(たまに論争になりながら笑)
そんな蔵を運営している方のお母さまの本が出版されたと聞いて
本屋で見つけて読んでみたのだけれど
読み進めながら、心が痛くて痛くて仕方なかったな
私が追いかけていた蔵の背中も、
ラビラントの志も、
私の指一本触れられない所まで
遠く離れてしまった気がして。
蔵も、ラビラントも、
いつもちゃんと自分で自分の道を歩いていて
自分のこの味を守りたい
大切なこの場所を守りたい
そんな気持ちを一貫して一生懸命守っている
わたしは‥
守れているかな
大野町が好きで、
大野町に心から感謝していて、
大野町を大切にしたい
そして、
私の大切にしているおやつや
色んな方々が集まってくれる凪の場所
5年掛かってこつこつ積み上げてきた
「今」は、自分色に染まってきてるだろうか
なんとなく、
色んな事を深く深く考えてしまう
秋の夜長のお茶の時間です
ラビラントのページを読んだら
なんだかとても良い刺激になって
何やってんのー!と
強く背中を押されたような気がして
須坂に
行きたくて
帰りたくて
仕方がなくなったのでした。
実家に対しては
こんな気持ちになったことがないのにな‥笑
シュウリョウ。
9月から始まって、約1ヶ月半
今日で栗仕事が終了となりました
今年は、震災してしまった栗農園さんを少しでも励ましたくて、最初から栗メニューを2種類ずつ出すぞー!と決めていたので
いつもよりも長い時間、栗と向き合った気がします
手の皮も2ヶ月でだいぶ厚くなりましたし、
指の関節も更に太くなりました笑
毎年栗の時期になると、涙を1回や2回流して、もうこんな事2度とするもんか〜!となるところですが、今年はどういうわけか気持ちはずっと前向きのまま。
笑顔も出ないくらいキツイ時もあったけれど
それ以上にとてもやり甲斐がありました
ここで凪をやっていると、
通ってくださるお客さんが、毎年少しずつ少しずつ増えてくれて、毎日の半分以上は常連さんで
今となっては県外あちこちから常連さんも加わり、なんとも言えない感謝の気持ちが沢山溢れます
感謝の気持ちを私が唯一みなさんに現せられるのは、努力を惜しまず気持ちをのせたおやつとお茶の時間を作ること。
口溶けだったり、香りだったり、素材の味だったり、食べやすさだったり
食べてくださる方に何かが少しでも届いてくれたら嬉しいなと、気持ちを込められる分だけ丁寧に精一杯つくるように心がけてます
見た目の良さはそこまで気にしません
想いを込めたらこういうカタチになりました
という感じ笑
何はともあれ、今年も無事に栗仕事が終わってホッとしました。
震災と大雨被災で散々だった栗農園さんも、
「今週はここまで復旧できたよ!」
「あんたが好きな品種の栗が落ちたから拾って背負ってきたよ、いる?」
毎週何回も明るく電話をかけてきてくれて
それが1番嬉しくて、お話した後はホッとして涙が出てきます
また栗園さんのご夫婦と、山にゴザを敷いて一緒におむすびを食べたいな‥
人と人が
気持ちと気持ちで繋がってる関係が
温かくて幸せで
本当にありがたいです
ここで毎日皆さんをお待ちできる喜びと幸せに感謝して、
今を精一杯、
こつこつと。
ナカヨシ。
お友達
職場の同僚
親子
おばあちゃんとお孫さん
ママとベビー
彼女と彼氏
色んな方々が
仲良くキャッキャッ笑いながら
お茶を楽しんで下さる光景が嬉しい
こういう光景を見ることかできるのは
飲食店の特権だな〜
そんな事を思い出しながら
私はなかよしと、仲良しになってたのでした
このお菓子、止まらない。。。
シロタエ。
店舗でいただいたのは何年ぶりだろう
5年‥
いや7年ぶりかな‥
私にとって忘れられない思い出の味
しろたえの「レアチーズケーキ」
懐かしくて恋しい味を求めて行ってきたのだけれど
時が経って、
私自身がおやつを作る仕事を始めて
店を持った今は
ここまで潔いほどシンプルな小さいレアチーズケーキに
あの頃と全く変わらない味と見た目と値段に
目鼻の奥がキュと締まるのを感じつつ
しろたえのオーナーさんの
力強くも温かい気持ちを
憶測せずにはいられなかったのでした
こういう店が続いててよかった
こういう店に出会えてよかった
これからも
そのまま続いてほしいと強く願う
お気に入りのお店です
シレン。
山なんてもういいー!
なんて、弱音だらけの精神力で
登って降りてきた山旅から帰って1週間が経ちました
年々、コースタイムが大幅に延びて
キツさも、苦しさも、増し増し。
だけど、地上?に降りてきて
いつもの生活に戻ったとき、
ふと思い出すのは
自然の美しさ、まじめさ、誠実さ、厳しさ。
電波が通じない山旅で、五感で感じていたものは
すべて自然体で心が快適だったな
山はいつも厳しいけど
色々なことを教えてくれるような気がします
危ないけど近道を行くか
安全だけど遠回りで行くか
素直に立ち止まって考えるのか
知ったような顔して進むのか
追い抜かされないように早足になるのか
自分のペースを保てるのか
黙々と山をしばらく歩いていると
まるで毎日の自分の生き方を
振り返らせてくれるような出来ごとがよくあります
私が夏に行く山は、ちょっとキツいコースが多いけどそれがまたいい
年に1度、美しい自然の試練と向き合いたくなるのと、
踏ん張ってでも自分が自然体で居られる時間に浸りたいなと思う
もう二度と山には行かない!なんて
先週誓ったばかりだけれど
今週もう一度どこか行けるかなぁ‥なんて
山の地図を広げてる私がいます笑
もう一度自分自身と向き合って、
もっと精神力を鍛えたいものです笑
トケル。
今年の夏は必ず!と、心に決めていた
秘湯のお宿へ行ってきました
山道をどんどん上って、人里離れて、
やっとたどり着いたこの場所に到着した瞬間から、宿を出て山を下りるまで、
“最高”が何度心を満タンにしてくれたことか‥
宿の外では、昔ながらの製法で土壁を修繕している大工さんたちの仕事の様子に見ることができて、
長年使い込まれた建物が、美しく逞しく残っている様子には、
残してくれてありがとうという気持ちが胸いっぱいに溢れてしまって、
声にならない幸せな気持ちで一気に満たされて。
お部屋に案内していただき、
お風呂に入ったときにはもう‥
手や上半身にうっすらと感じていた夏の営業後の幸せな違和感が、
スーッとお湯に流されるように解けていって、
明治時代の面影と、
その頃からずっと今日まで同じように湧き出すお湯の様子を見ていたら、
こんなに山奥でここまで守り続けるのは、
どんなに大変だっただろう‥と涙が込み上げてきてしまったほど。
ここのお湯が大地深くから湧き出るのと同じように(と、まではいかないけれど笑)、
私の底からもエネルギーが自然と湧いてきて、
この夏休みを大切な時間の使い方に充てたいなと、
やる気に満ち溢れてきたのでした
夏休み序盤
最高な気持ちで満たされたスタート
気に入ってしまったら何回も同じ場所に通ってしまう私は、夏休み終盤にもう一度予約を入れて宿を後にしたのでした
頭と心と体が解ける場所を
見つけた喜びと幸せに感謝して。
どうか、これからも長く続いてほしいと
願いをこめて。
アジ。
色々なことが少しだけ慌ただしく過ぎ去って
ようやく夏本番の暑さをゆったりと感じられるようになった今日このごろ。
年に1回開催している個展が先日無事におわりました
今回個展をさせていただいた伊藤さん
話すたびにいつも共感しあえて、
私が尊敬している作家さんの1人です
出会った頃からずっと
うつわ作りにぶれない芯を持ちながら、
とても真剣にお仕事と向き合っています
自分の芯から出来上がったモノは、
その人の努力と魂が込められているので、
その人にしか表現できない味が生まれるような気がします
伊藤さんのうつわも然り
オリジナルの模様の削りや、
釉薬と釉薬の色の掛け合わせ、
焼き色の滲みを愛でながら
良いうつわだなぁ…と
余韻に浸っています
ウツクシサ。
色んな事情により
明け直後の水曜日をお休みにさせていただいて
月曜と火曜でひとり旅を満喫してきました
向かった先は、長野県の野沢温泉
何度もひとり旅で訪れるお気に入りの場所です
野沢温泉街に入ったとたんの
何とも言えないノスタルジックな町並みと
立ち上がる湯けむり
敏感に感じる硫黄の香り
お土産屋さんとお客さんの会話
普段は感じることのない五感が
ここではフル稼働して
ひとりで静かに興奮してしまうのです
いつものように外湯をいくつか楽しんで、
知らない誰かとお風呂で会話を交わし、
お気に入りの店の焼き鳥丼を食べに行く
2年ぶりくらいの野沢温泉でしたが
初めて来た時と変わっていなくて
無性にホッとしたのは、きっと私だけではないはずで…
変わって行くことが悪いことではないけれど
最近は
大切にしていきたいことが
ものすごい速さで失われていって
目にするものが不自然で違和感をもつことがとても多い気がしています
美しいもの
の、捉え方や考え方が急速に変わったような気がします
たくさんの方が“美しさ”を欲しがる
それに世の中がどんどん応えている
でも、その機械で新しく造られた“美しさ”は、
本当を言うと
たくさんの方が求めている本当の美しさではないような気もするのです
なんてことを考えつつ
ゆっくり歩きながら
野沢温泉街の景色を
忘れないようにと見つめて
宿泊先の民宿に戻ると
そこにもまた女将さんとお客さんの優しいやり取りや、
華美ではないけれど女将さん手作りの地元の料理が並び、
滾々と湧く温泉のかけ流しのお風呂がある
愛おしく美しい時間が流れていました
私の頭とココロの回復させてくれる場所は
日本にいくつかあるけれど
今回もまた、
背中を押されて金沢に帰ってきたのでした
凪も
誰かにとって
愛おしくて美しい時間がつくれていたらいいな