白玉のオモイデ
昔行った鎌倉にある甘味処の白玉を思い出したら、無性に食べたくなり作ってみました
誰にでもあるかもしれませんが、私には忘れられない味がいくつかあります
鎌倉でまず思い浮かべるのは、イワタ珈琲さんのパンケーキと雲母さんの白玉でしょうか
2店舗とも年々お客さんが増えて、伺うたびに行列が長くなっていく人気ぶりでしたが、混雑してる店が得意ではない私も足を運んでしまう理由がありました
どちらのお店も、メニューを変えるわけでもなく、どんなに忙しそうでも味の品質が落ちるわけでもなく、接客もサービスも最初に来たときと何ら変わらなかったのです
イワタ珈琲さんでは、昔ながらの風情ある喫茶室で銀食器を手に取り、表面はカリカリで中はふんわりと焼けたパンケーキにナイフを入れる感触は、もうそれはそれは幸せで、香り高いメープルシロップも、バターの美味しさも格別でした
雲母さんは、お母さんの家庭的で愛らしい接客と、とても大きい白玉を口に含んだときの柔らかさと弾力にとても幸せな気持ちになったものです
そんな2店舗さんで過ごした思い出が私の心に残っているのは、味はもちろん、店としての人間味を感じていたお店だったということでもあります
この状況の中、今わたしが思うのはそんな“人間味”について。
オンラインやテイクアウトやテレワーク、今まで日本の文化にはなかった、横文字の仕組みが更に加速していて、“人間味”は、これからどうやって保っていくのかな と。
人と人の関係性で出来上がっていた社会の中に、コンピュータやAIが入ることで、失われてしまうことはないのかな
ほとんどの人がスマホを操る今の時代に、スマホで買い物をして、スマホだけで会話をして、スマホで本を読み、スマホで食べたいものを注文する、そこに今回は、スマホで仕事することも急速に増えたわけで‥
私もスマホ愛用者で、SNSもしているけれど、時として自制を効かせて、人間味だけは損なわないようにしたいとおもう
なんだか白玉ひとつで
こんなことを考えてしまった日だったのでした